研究に用いている小型実験動物スンクス


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 埼玉大学大学院理工学研究科生命科学部門 理学部生体制御学科

                                    

研究内容research

坂井グループ

皆さんは、私たちの体が元気に動けることに疑問や驚きを持ったことは有りませんか?我々の体は心臓、腎臓、肝臓、
脳などの多くの臓器から構成されていますが、それぞれの臓器が連携を保って影響し合いながら体全体として調和の
取れた状態が維持されています。このシステムが機能するためには、体の中で、細胞から個体全体までの様々なレベ
ルでの調節・制御が必要になります。


私は、この中でも内分泌(ホルモン)による制御に注目した研究を行っています。

もう少し具体的に言うと、ひとつは内分泌調節の要である下垂体に関連する研究です。下垂体には多くのホルモン産
生細胞が存在し、全身の状態によってホルモン分泌が行われます。私はこのホルモン産生細胞の増殖および細胞分化
のメカニズムやそれらの細胞がどの様な仕組みで分化してくるかを下垂体自身の発生機構と併せて研究しています。


もうひとつは、消化管ホルモンの研究です。あまり知られていませんが、胃や腸にも多くのホルモン産生細胞があり
(消化管は体内で最大の内分泌器官と言われています)、分泌されたホルモンが消化管運動や、摂食量を調節していま
す。消化管ホルモン産生細胞がどのようにして産生・分泌調節を受けているか、また、消化管から分泌されたホルモ
ンがどのようにして生理的作用を発揮するかという研究を行っています。


最近は消化管からの情報により脳が調節を受けている例も明らかにされていることから、消化管ホルモンと脳機能と
の関連にも踏み込んだ研究を目指しています。これらの研究を通して、哺乳類を中心とした動物の生命現象の理解に
迫ろうと考えています

足立グループ

昔、フランスの学者がおじぎ草を見て、当然のように思っていた事に疑問を持ちました。 おじぎ草の葉は夜ねている
のに、昼になると葉が立ち上がります。多くの人は「当然」太陽による光の影響と思っていたのですが、おじぎ草を
常に暗い洞窟に入れても、見事にそれまで昼間だった時間に葉が立ち上がり、夜であった時間に葉はねました。すな
わち、葉が昼間立ち上がる現象は太陽の光による影響ではなく、おじぎ草自身にある時計(これを 生物時計と呼びま
す)により制御されていたのです。これが文献に残る最初の生物時計の発見でした。


生物時計は原核生物から人間に至る全ての生物に存在し、非常に重要なメカニズムであると考えられています。
例えば、なぜおじぎ草が葉を立ち上がらせるかというと、その方が光を十分に浴びる事が出来、命の源である光合成
の効率を高めることができるからです。 そして夜はなるべくエネルギーの消費を少なくするためにねていると考えら
れます。


人間を含め、多くの生物で生物時計は重要な働きをしていると考えられています。細胞分裂、代謝、様々なホルモン
の分泌、体温や血圧など多く生理現象が生物時計の制御を受けていますし、鳥の渡り、光周性といった年1 回の現象
にも関与が明らかとなっています。

私はこの生物時計の発振機構や生物時計の制御を受ける現象の分子制御機構、すなわち、 どういった遺伝子が、どう
いうメカニズムで働いているか研究しています。






研究に用いている小型実験動物
















マウスの行動リズム